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一次創作のファンタジー物語と日常を気分で書き連ねる、サイト兼ブログ

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魔法使いの夢物語 

 

タイトルに飽きたら魔法使いをつければいいと思ってる。


「……へ?」

 カナトがつかみあぐねて聞き返すと、やっぱりといった様子でウィンクは薄く笑った。

「あンまり深く話す気はないヨ」

 理解できないだろうし、という調子を含ませながらウィンクは話を続けた。

「あるトコロに男の子がいまシタ。その男の子は悪夢に心を支配されてしまいまシタ。そこへやってきたトーバは、男の子の心を支配している悪夢にイタズラされて、魔法の力はスッカラカンなって男の子が住ンでる世界に放り出されまシタ。キミの近くに飛ばされたのはタダの偶然。デモおかげで居場所探しに苦労しなくて済みそうだからラッキーって、チョット、なにその目」

「いや…もうなんか壮大に馬鹿にされてるとしか……」

 ウィンクが口を閉じて露骨に睨んできた。カナトはその視線を見て頬をかいた。

「え、本当に大真面目な話なの?」

「…もうイイ」

 ふてくされたウィンクはカナトに背を向けて空中で横になった。カナトは声をあげた。

「あっ、それ! ほら! 浮いてるじゃん!!」

「ソレはソレ」

 冷静な声色で返されて、カナトは背もたれにそっと寄り掛かって今のウィンクの話を整理した。説明として話したことを整理するというのもなんだかおかしな話だ。

 つまり、ウィンクは男の子を支配している悪夢に騙されたとかなんかそんな感じなんだろうか。それで魔法の力を全て奪われたかなんかして、すっからかんの状態で放り出されたと。

 そう考えると、少しずつ何かが見えてきそうな気がした。さっきの「夢を見た」と呟いた後の病院と名前。あれは今の話からいくと支配されてしまっている男の子がいる場所と本人の名前ということなんじゃないか? となるとウィンクのあの寝言は男の子に向けられたものだったんじゃ……?

 大丈夫だから。

 男の子に向けたものだとしたら、その一言にどんな意味合いが込められているんだろう。すぐに行くから、自分は魔法がすっからかんでも平気だから……もう少しの辛抱だから…?

「……」

 カナトは連想していきながらウィンクの背中をじっと見つめた。トーバが何とかするから、もうちょっと待っててね。トーバのことは大丈夫だから。

 カナトはウィンクの背から視線を外して考え、もう一度顔を上げた。そしてすっと視線を外して、手を伸ばした。

「……、…あった」

 ウィンクの背中がぴくりと反応する。カナトは言い直した。

「高山台病院、見つけたよ」

 ウィンクがゆるりと寝返りを打つように振り返った。その気怠さにくすっと微笑み、パソコンを示した。

「近くはないけど、電車で行けばそんなにかからないところにあった」

「……言いたいコトはなに」

「高山台病院が実在するんだから、きっと中条君もいるんだろうね。信じるよ」

「トーバは最初から嘘なンか言ってないケド」

「ごめんって」

 軽く謝ってから、しかし聞きたいことはあった。ウィンクが起き上がるのを眺めながら尋ねる。

「でも会ってどうするの?」

 言っている間にウィンクと視線が絡んだ。ウィンクの目は不思議な輝きをしていた。そんな彼がふっと口の端をつり上げた。

「……ヒミツ」

 カナトはヒミツの真相はさっぱり掴める気がしなかったが、同時に妙な感覚になっていた。

 多分、その先へは踏み込んではいけないんだろう。ウィンクの口の端がつりあがった時、オンシーズンの怪しさにハイテンションなあの彼が見せる笑みとは違うものを感じた。

 ……やっぱり、いつかは。

「しょーがないなあ」

 おどけた様子でため息をついてから、カナトもふふっと笑った。

「じゃあ、行こ?」

 不思議な視線の絡みを解いて、ウィンクはぱちぱちっとまばたきをしてから思い出したように言った。

「そういえば、デンシャって何」

「……うん?」

 ほんわかした笑顔でかたまって、カナトは目の前の存在がどういう相手だったか再認識する羽目になった。



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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ギャグ落ち的なものを狙いたかった。
普段どこにいるか知らないけどとりあえずこの世界で日常を過ごしている相手ではなかったという再認識がね。
着てるものやら髪色やらが落ち着いちゃってるからついうっかり忘れそうになっちゃったよねっていう。。

なんか暇を持て余した魔法使いと化物のほのぼのトークみたいになってしまいました。楽しい←
ちょっとシリアスになってみたりすぐ脱力したり下らないことで口げんかしたりってちょっと見てて楽しいんだよね。

このふたりだとシリアスとほのぼののバランスが程よい気がして好きです。…好きです。

まだ続きますが引き続き生暖かく見守りお願いします!!

category: ハネダさん宅

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