-I'm still here-

一次創作のファンタジー物語と日常を気分で書き連ねる、サイト兼ブログ

狐と天狗4 

 

引き続きテング視点です、コラボ休憩でもうしわけなし、、
そして全体的にギャグ回です。


「…………っは…ッ!!」

 突然だった。まるで胸を打ちつけたような表現できない強い衝撃でテングは飛び起きた。急すぎてむせこみうずくまる。

 静かな空間で自分の空咳が響く。テングは咳が落ち着いてからここがどこだか確認しようと顔を上げ……。

「ぅわあ!!?」

 目の前に狐の鼻面が迫っていた。テングがうずくまったのとは逆の仰向きに倒れかけると、誰かが吹き出して笑い出した。

 テングは肘で上体を支えながら、狐を確認しようとして驚いた。ずっと遠くから見つめてきていたあの不思議な子どもだった。狐だと思ったのも至近距離では無理もない、その子はよくできた狐のお面をつけていた。

「はーおっかしい。なんだよぉ、魔族だからどんなおっかない奴かと思えば」

 子どもはちょっとかすれ気味な独特な声で喋り出した。当然と言えば当然だが、何も言っていないのに魔族と見抜いているあたりにテングはどきりとする。子どもは笑いをひっこめると、ずいと手を突き出してきた。

「返せ」

「へ?」

 否とは言わせない鋭い雰囲気だったが、掴みあぐねたテングは聞き返した。呆れたようなため息をつかれ、子どもはテングの腰元を示す。

「返せ。俺の面だ」

 指さされたところを目で追って、天狗の面にいきつく。顔を上げて、テングは首をかしげた。

「狐なのに?」

「……お前、空気読まないって言われるだろ」

「言われたことない」

「あっそ…」

 完全に拍子抜けした子どもは、すぐに面を取り返すのを諦めて腕を上に放り出して後ろに倒れた。危ない、と声をかけようとしたが、その必要はなかった。

 ツタがするするとのびてきて、子どもを支えた。そのまま椅子のように形をつくっていく様子を眺めていたテングは思い出した。その場に座り直して辺りを見回す。

「ここは?」

「俺の住処だ。あーあ抵抗されないようにと思ってたのに…こんな奴が相手なら別に意識奪うまでする必要なかったな。無駄な力使ったわ…」

 正直テングが聞きたかった答えではなかったが、子どもはふうとひとつ息をついて気持ちを切り替えると身を乗り出してきた。

「まあいい。さて魔族よ、さすがにそろそろ俺の正体が知りたいかい?」

「狐じゃないのか?」

「ああもう稲荷の話はもう終わっただろ! くっそ調子狂うな!」

 うんざりしたように声を荒げて、その勢いで子どもは自らを名乗った。

「いいか、俺は天狗だ! その面は俺のもんだ! ずっと前に盗っ人に持っていかれたそいつを返してもらうぞ!」

 ずびっと指をさされて、テングは一瞬目を丸くしたあと、少し気まずそうにはにかんだ。

「……ごめん、つい最近オレもテングって名前をもらったんだ…」

「…なんなんだよお前はあああああああ!!!」

 天狗は全ての調子を狂わされて、嘆くように叫んだ。


< →続き >

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
圧倒的シリアスブレイカーテング氏。そこんじょらのKYとはレベルが違うぜ(ドヤァ

テング氏が本来の一人称出すの滅多にないんですけど、この場面だけはもう一人称ないとどうにもならなかった……。
ウィスタリアさんが必死こいてテング氏の行方を探している一方で、こんなブレイクコンボを決めて相手をノックアウトしてるんだからテング氏はある意味でつよい(強くない

狐面をしている本物の天狗様がかわいそう回。。

category: 幻想世界絵文

tb: --   cm: 0

△top

コメント

 

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top