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一次創作のファンタジー物語と日常を気分で書き連ねる、サイト兼ブログ

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狐と天狗2 

 

続きました。前回さらっと名付けられたテングと、瑠璃さん宅のウィスタリアさんとコラボしています。過去のお話です。


 呑気な魔族をテングと呼ぶことにした日から数日。天狗の面を肌身離さなくなったテングに、ウィスタリアはささやかな違和感を覚えていた。

 別に奴がどうという訳ではない…しかし、何かがおかしい……気がする。

 最初こそ違和感の原因が分からずスッキリしなかったが、気になるタイミングに意識を集中させていればすぐに分かった。

 ぐーたらなこの魔族が、ぐーたらとは別にぼーっとしている瞬間が生まれているのだ。昼手前に起きだして、外に出てきて伸びをした後。魔物出没の確認をしに外を歩いて戻ってきた時。すみかに出入りする前後に頻繁にぼーっとしている。気付いてからはその頻繁具合に気持ち悪さを感じる程だ。

 しかもどうもただぼーっとしているようではなさそうで、どこか一点をじっと見つめているようにしている…気がしなくもない。一度ぼーっとしている最中に声をかけてみたときは。

「……何を見ているんです?」

「――…んぇっ? 何? ごめん、なんか言った?」

「いえ別に」

 声かけすらまともに耳に入ってない程ぼーっとしてるのか、それとも集中しているのか。もしかしたら打ち明けられた色欲を司る力が影響しているのかもしれない。そういえば最近はこの魔族の暴走を食らっていない。

 もしや前兆…? ウィスタリアが警戒していた数日後、事態は思わぬ方向へ動いた。

 昼過ぎのことだ。掃除と称して住処の周辺の森に魔族がはびこっていないか見回りをしてきた帰り、またしても住処の入口付近の大きな岩の上に立ってぼーっとどこかを見つめているテングがいた。

 濃い灰色の袴に、日の光で色落ちしてしまった薄いすみれ色の着物をゆるく着付けている。もちろん、この森では色落ちする程の日光は滅多にないのでどこか別の土地で焼けたんだろう。ともあれ、時たま爪先立ちでどこかを見ている様子は明らかに何か見ている対象がある動きだ。

「最近ずっと何を見ているんです」

 声をかけながら答えがくることは期待せず、ウィスタリアは住処の中に入った。入ってすぐ、ぎょっとする。テングが村で天狗様への貢物として持たされた品々が乱暴に荒らされている。価値がどれほどだったのか分からない小皿が数枚割れている。

「アンタ一体何を…――!!」

 外へ出た瞬間だった。少し強い風が顔面にぶち当たる。黒くすすけたように色を失くした落ち葉を振り払って顔をあげると、テングは岩から飛び立っていた。飛び方も逃げたり適当に遊びに行くような飛び方ではなく、何かを追うような、目的のある飛び方。一直線に方向を取っていく。その腰にはあの天狗のお面が。まるで目印のように黒い森を切り裂いていく。

 飛んでいくテングを見て、ウィスタリアはこれまでとは何か違う、漠然とした焦燥に駆られた。このまま放っておいたら、二度と戻ってこないという感覚が肌を刺す。ただの「気がする」ではなく不思議と確信した。追わないと。

 ウィスタリアは腰にさげている刀の柄を掴んで舌打ちをした。

「…ったく、あの阿呆色魔……!!」

 赤い面を見失わないように、ウィスタリアは急いで駆けだした。


< →続き >

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
白昼堂々テング氏家出事件。保護者が大変。
テングの北西時代の服装は大体村の古着屋から頂いてそうだよね。稀にウィスタリアさんが直接行って買ってきてるのか、テングがふらっと寄って古着屋でお出しできる貢物など…!ってなってるところにこの色いいなってマイペースに選んでもらってるかのどっちかかな?

最初の頃はお面の装備場所が定まってなくて、頭でも後頭部に回してたり腰に付けてたり手で持ってたり色々気分で変えてそう。

続かせるよがんばる。

category: 幻想世界絵文

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